『店販に力を入れているが思うように売れない』『ディーラーからは、他の店で凄く人気で売れてるって聞いたけど、ウチはそんなに、、』 『なんかこの商品の評判があまり良くない』 『一応勧めてるけど、本当にこの商品はいいのか??』『この商品あんまり良くないし、他の商品探そうかな』
こういった話よくありますよね。
これは、美容業界に限ったことではなく、商品の販売を行う業種では、永遠繰り返されていることなのですが、商材、店販に対するネガティヴな考えは、『売上が上がると思っていたのに上がらない』『売上が下がるかもしれない』といった意識から生まれるものです。
今回は、そんな負の繰り返しから脱却し、売上を上げる為の方法論をご紹介したいと思います。
商品には、プロダクトサイクルがあり、次から次に新しいものが生まれ、そして、消えるといったサイクルを繰り返しています。ずっと売れ続けている商品もありますが、それは、他店との差別化が図れないとして、店販やキャンペーンなどで力を入れる事は、あまりされないでしょう。
有名メーカーの新製品や、あまり他所が使っていないメーカーの商品を目玉にする場合を、よく見かけますが、それこそ、その商品がネットで格安で販売されていたり、近隣店舗が取り扱ったり、更に新製品が出るとプレミアム感が薄れますよね。
そして、こういった商品は、比較的、仕入値が高く設定されており、コストが高くなったり、ある程度の量を初めに注文しなければならなかったり、利益率を確保する為に、価格設定を上げて対応する必要性があります。
これらは、簡単に想像出来るリスクですが、これ以上に、危険なリスクがあります。
商品の効果、メリット、デメリットの説明を受け、納得した上で、その商品を取り扱い始めますが、その商品を販売していかなければならないといった意識で、全てのお客様に提案されているケースがあります。
残念ながら、お客様全てに、その商品がマッチしているわけではありません。お客様全員にマッチする商品なんかほとんどありません。
ちなみにマッチというのは、効果だけの事ではなく、価格がお客様にマッチしない事もあります。顧客ニーズは千差万別です。
顧客に合った提案ではなく、いつの間にか、商品に合った顧客像を作り上げる『思い込み営業』をしている場合があります。
欲しくも無い、興味も無いモノを提案されても、惹かれませんよね。
最悪、不快感を与え、失客する可能性があります。
商品の勉強をして、理解を深め、お客様に提案する行為は、とても大切な事ですが、行き過ぎた提案は、商品が良ければ(気に入って貰えれば)いいのですが、商品が悪い、もしくは、顧客に合わければ、自分の価値を下げることになります。仮に、ご購入頂いたとしても、効果が感じられなかったり、コストパフォーマンスが悪いと、それを勧めた人間に対しても、不信感がつのる場合が多いにあります。
勿論、店販が売上増加に繋がったり、商品のおかげで顧客からの信頼を得たりする事も出来ますが、上記のリスクは必ず含んでおります。
リスク面を挙げましたが、これらはご自身でも経験があるはずです。
例えば、服屋さんに、アウターにダウンジャケットを買いに行った際に、店員に『今季はレザージャケットが流行っていましてオススメですよ。お客様に、とってもお似合いだと思います。』と勧められたとします。
アウターが欲しいという点では合致しますが、ダウンジャケットを買いに行っており、更に、自分にはダウンジャケットが似合わないと思っていた場合、どうですか?
店員は服のプロですし、客観的にお客様の似合う服、似合わない服を判断する能力は高いかもしれませんが、あくまで服は顧客が判断する主観的なものですので、人によっては、
といったように、店員に対してネガティヴな感情が生まれ『この店員分かってないな』『営業トークがウザい』となり、更に、ダウンジャケットを買いたいと言いにくくなったり、この店で購入することを断念するケースが多いにあります。
この他にも、旅行会社に、目的地は決まっており、少し高めのツアーを探しに行ったのに、流行リゾートの格安ツアーを案内されたり、こういった事例は、たくさんあると思います。
リスクを挙げてきましたが、要は、売りたい(勧めた)商品に対して、顧客のニーズがマッチしていなければ、販売に発展しにくく、失客に繋がる可能が高いということです。
商品を販売する最適な方法は、顧客からの信頼を得ることです。
高機能な商材よりも、信頼しているスタイリストが提案した商材の方が、顧客は購入に踏み切りやすいです。なぜなら、高機能を謳っている商材は世の中に数多くあり、顧客も見慣れています。それよりも、信頼しているスタイリストの提案の方が、信頼出来る商材と思い込むからです。
ブランド力があり、認知度が高い商材は、営業をしなくても販売出来るでしょうが、認知度が低ければ、自分で売らなければいけませんので、売る本人が顧客から信頼を得なければいけません。有名モデルが使用している化粧品やサプリが売れるのと同じ原理です。
顧客からの信頼を得ることが重要ですが、販売テクニックの常套手段を一つを紹介します。
それは、最初から顧客に2つの選択肢を与えることです。
逆に言えば、購入しないという選択肢を与えないことです。
『Aという商品は〇〇が優れているが、Bという商品は△△が優れており、お客様にはBという商品が良いと思います。』
一つの商品を勧めるのではなく、比較させるのです。
これは、最初から2つを勧めることで、『いずれかの一つを買う』という心理に持ち込む効果があります。
一つだけの提案であれば、他にも良い商品があるかもしれないと考え、もう少し考えてみようという意識が働き、そのまま購入に至らないケースが多くありますが、
2つあれば、どちらかの商品は、自分のニーズを満たしてくれるという思考が働きやすくなるからです。
但し、この手法は常套手段ですので、この手法を悪用して商品を販売する方々もいますので、リピーターが重要な美容業においては、本当にお客様にとって良い商品を真摯に提案することも忘れてはいけません。
上記と似た例で、価格毎に商品を用意する松竹梅作戦があります。
商品にランクをつけて提案することです。これも自身で何か商品を購入する際に、経験したことはありませんか?ほぼ用途・目的は一緒ですが、3種類の商品が用意されているものはありませんか?料理のコースや、化粧品、電化製品に到るまで、色々な業界で見かけますよね。
シンプルにこの方法のポイントは、自身が売りたい商品を2番目のランクに設定することです。もし、1番安い商品や、1番高い商品を買われる方が多いようであれば、それは設定を間違えています。
1番売れる商品が竹(2番目のランク)で、松(1番目)と梅(3番目)がその次に売れる形です。
ベースの価格はどうあれ、心理的に2番目のもの選択する人が多いので、2番目に自分が売りたい商品を置く必要があるのです。
また、2回目以降の購入のタイミングでも、1番目や3番目にニーズに合わせて、提案をシフトさせることも出来るメリットもあります。
色々な方面で、商材いわゆる店販売りで四苦八苦されている話を聞き、タイトルにあるように、商材に頼り過ぎた場合の危険性と、指名されるスタイリストになる方法についてざっくりですが書きました。
お客様に精一杯商品の説明をすることがいけない訳ではありませんが、それよりも、お客様のニーズ、そして、表情や仕草、空気を感じ取って、それに合わせた提案をすることの方が大切です。
商材に頼るのではなく、商材をあくまで営業のツール(武器)として扱うと、自分の営業力が必ず上がります。
その積み重ねが自分自身のブランディングであり、多くの指名を獲得し、長く指名されるスタイリストになれる方法です。
いくつか手法をご説明しましたが、基礎的なことですので、明日からでも現場で実践してみてください。
具体的な手法も今後、紹介していきたいと思います。
もし、より具体的な手法や、詳しく知りたい方がいらっしゃったらお気軽にメールでもください!
もちろん無料ですのでご安心ください^^
また、今回はスタイリストさん個人に向けた内容でしたが、店舗全体(オーナー)の商品のブランディング、メニューのブランディングによる営業方法についても改めて書きたいと思います!!
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