サロンブースト

美容院を開業する前に必ず決めておきたいこと!

 私は、仕事柄、数多くの企業やサロンの社長・オーナーと商談しております。素晴らしい成功を納めている方や、伸び悩んでいる方、ご商売を止めようとされている方、さまざまです。

何をもって成功とするかは、人それぞれ違いはありますが、シンプルに『売上・利益を順調に伸ばしている経営者』が必ず実践されている事を、実体験を元にお話したいと思います。
特に、これから美容室・ネイルサロン・エステサロンをこれから開業される方や、将来は開業したいと思っている方の参考になれば幸いです。

1.サロン経営の『6W1H』

 5w1hをご存知の方は多いと思います。中学校のときに疑問詞を学習しましたよね。
「いつ(When)、どこで(Where)、だれが(Who)、なにを(What)、なぜ(Why)、どのように(How)」
これは、ビジネスにおいても、報告書・メール・口頭説明など、情報をもれなく、分かりやすく伝える方法として応用されています。
新入社員研修などで教わる場合も多いと思います。
『6W1H』と書いたのは、誤りではなく、この5W1Hに、だれの為に(Whom)を付け加えたものです。
これは、わたしがコンサルティング・ウェブ制作の商談を行う際に、必ず、お客様に確認を取っていることなのですが、売上・利益を伸ばしている方は、必ず即答されます。もちろん、情報漏えいが無いように、すべてを教えてくれない方もいらっしゃいますが、それでも、必ずこの答えを自分の中で持っておられます。
では、この『6W1H』の説明を行いたいと思います。

When?いつ

・営業時間は午前10時から午後19時まで。
・定休日は月曜
営業時間・定休日です。当たり前過ぎですか?
でも、サロンのスケジュールの基本となってくるものですから、とても重要でなことです。

Where?どこで

・駅前徒歩5分以内の路面店
・高級住宅街で最寄に駅無し
・繁華街の2~3階
お店の立地です。出店地域によって、人口はもちろんのこと、顧客層が変わりますので、非常に重要です。

Who?誰が

・1人営業
・スタイリスト3名
事業を行うメンバーです。
1人営業ならまだしも、数名以上で事業を行う上で、業務を円滑に進める為には、誰でもいいわけではありません。

Whom?誰のために

・20~30歳代女性OL
・30~40歳代女性専業主婦
誰にサービスを提供して対価を得るのかは、当然ながらお客様であり、お客様のためのサービスです。

What?何を

・優れたカット技術
・トレンドを押さえたカラー
・癒しを追求したヘッドスパ
お客に何をするのか、言い換えれば、『お客様が代金の代わり何を得られるのか』です。サロンであれば、お客様に提供するサービスです。このサービスに対してお客様がお金を支払いますので、サロンの売上の基本となります。

Why?なぜ

・トレンドに影響をおよぼすぐらい発信力のあるサロンになる。
・地域密着型のアットホームなサロンになる
・多店舗展開を行う
経営理念やサロンのコンセプトといった『想いや志』です。皆さん、開業されることが最終目標ではなく、今まで培った経験の上で、こんなサロンにしたいという想いや志があると思います。

How?どれくらい

・月間売上300万円
・開業2年後の年間総売上5000万円
・単月粗利益150万円
『金額・目標額』です。開業される方は、すでに個人売上や店舗売上などを求められるポジションを経験されており、常に意識されてきたことだと思います。当然ながら、開業してからも、あらゆる事に対して目標額を決めて動いていかなければなりません。

2.6W1Hは具体的に考える

 以上のことが『6W1H』です。
すごくシンプルで簡単ですよね。これから開業される方の中には、『すでに、イメージ出来てるよ。』という方もたくさんいると思います。
しかし、このイメージというのは、ものすごく個人差があります。

個人差というのは、『Whom?誰の為に』を例に上げると、
・Aさん『女性全般』
・Bさん『30~40歳代専業主婦、夫は会社役員以上』
極端な例を出しすぎましたが、Aさん・Bさん共に、大きな括りとして、ターゲットが女性であることに変わりありませんが、Bさんの方がより細分化されていますよね。Bさんの方がターゲットを離さない用意周到なサービスが提供出来そうです。

もう一つ例をあげましょう。
『How?金額・目標額』
・Aさん『年間1億円』
・Bさん『平日10万円・土日15万円・月間300万円。11・12月は月間400万円』
Bさんの方が目標数値が具体的ですので、平日の目標額である10万円を下回った日が続いた場合、月間300万円を達成する為に、なんらかの策で軌道修正を行い目標額を達成させようとするでしょう。Aさんに比べ、実現性が高く見えますよね。

 これらが個人差です。経営者の方それぞれに、いろいろな物事の考え方に違いがあるように、たとえ、同じような考え方をしていたとしても、どこまで掘り下げて考えているかも、人それぞれなのです。
これからサロンを開業される方には、『6W1H』のイメージがあったとしても、より具体的にイメージすることをオススメします。

『あまりにも具体的に考え過ぎても動けなくなってしまう。』
『大きく物事は捉えないと応用が効かなくなるよ。』
『やってみないと分からないから、随時、修正する方が良い。』
といった意見もあるかもしれません。

 確かに、具体的過ぎることが良くない場合もあります。しかし、あまりにも漠然とした内容だと、上の例のように、目標に対して効率的な経営を行えなくります。
そして、『具体的にイメージする』=『必ず実現しないとけない』ではありません。
この『6W1H』は、客観的にサロンを見る為のモノサシだからです。

 いろいろな戦略を練って戦場に出ても、敵が想定していた以上の武器を持っていたり、海戦が強いと思っていたら、意外に陸戦で連勝したり、相手があることですので、戦況が変わります。(分かりやすいかな~と思い、戦争を例にしてしまいましたが、、)
このように、サロン経営を行う上でも、内外的要因により状況が変わることは出てくると思います。その要因が、プラス方向に働くものであれば良いのですが、マイナス方向に働くものであれば、モノサシの精度が悪ければ、状況は悪化の一途をたどることになるでしょう。

ですので、『6W1H』は具体的であったとしても、常に一定ではないのです、経営をしていくなかで、随時、最新のモノサシにアップデートしていけばいいのです。

また、例になってしまうのですが、ソフトバンクグループ社長の孫正義氏は、一番最初に起業されたのはコンピューターの卸売業だそうです。それが、今では携帯・野球チームとさまざまな分野の事業で成功されています。創業当時のモノサシと現在のモノサシは違うものでしょう。それと同時に、日本トップクラスの精度を持ったモノサシです。だからこそ、常に状況を見極めることが出来、新たな分野でも成功されているのだと思います。

ぜひ、『6W1H』というモノサシの精度を高めてみてください。

3.違和感のある『6W1H』になっていませんか?

違和感とはどういうことでしょうか?
個人差のお話でしたような、具体的なイメージが浮かんでいる方は、既にお気付きだと思います。
『6W1H』の
・When
・Where
・Who
・What
・Why
・How
は、それぞれ独立したものではなく、密接して絡み合っているのです。

ご説明しますね。
以下のような6W1Hを考えていたとします。
<Aさん>
Who・・・スタッフ2名
How・・・平均客単価7000円、月間売上目標2000万円
<Bさん>
Where・・・ビジネス街
Whome・・・30~40歳代専業主婦

Aさんは、2人で営業するにはハードワーク過ぎますね。目標額を下げるか、スタッフ人数を増やさないと実現は困難でしょう。
Bさんは、OLをターゲットにするか、住宅街付近に出店した方がターゲットは多そうです。

 これもまた、大げさな例になったかもしれませんが、実際に、こういった違和感のある『6W1H』になっているサロンも実際にはあります。
今までに、『この人数でこの売上目標は無理でしょう。』と思ったことありませんでしたか?
経営者によっては、スタッフの士気を高める為の一種のパフォーマンスであったり、体育会系の根性論であったりする場合が多いと思いますが、この『6W1H』においては、先ほどお話したとおり、あくまでモノサシですので、到底実現不可能な違和感のあるものであってはいけません。

 たとえば、このような『6W1H』はどうでしょうか?
『スタッフは、自分を含め4人。スタイリスト経験8年以上で、ヘッドスパ経験者。定休日は月曜日と第三日曜日。立地は高級住宅街付近で、富裕層の専業主婦40~50歳代をターゲットに、各メニューともヘッドスパのついたコースを売りにする。目標平均客単価は1万円で目標日割売上13万円、目標月間売上325万円。富裕層の方にご納得頂けるハイクラスなサービスを行いサロンをブランド化していく。』
まだまだ、具体的に掘り下げていかなければいけませんが、違和感はありません。

 このように『6W1H』は、その一つ一つが絡み合っている為、バランスが取れた状態でないと全く意味がないのです。

6w1h画像

4.まとめ

 この『6W1H』は、最初にも申し上げたとおり、実際にわたしが商談させて頂いているお客様の中で、『売上・利益を伸ばしている経営者』が必ずといっていいほど、実践されていることです。そして、私のところに、売上・利益を伸ばす為のご相談があった場合も、必ず、この『6W1H』の確認を行い、実践されていなかったり、具体性に欠け、違和感があり、実現困難であった場合は、まず最初に適正な『6W1H』を設定するところから始めます。
『6W1H』こそが、経営において、すべての基本となるものだからです。
すでに経営されている方でも、思うように事業が進んでいない場合は、再度この『6W1H』を確認されることをオススメ致します。
そして、これから開業される予定の方や、開業をしたいとお考えの方には、ぜひ、スタートダッシュをかける為にも、まず最初にこの『6W1H』を考えてみてください。

なお、サロンブーストでは、美容院・ネイルサロン・エステサロンの方を対象に、電話・メールの無料相談を承っておりますので、『6W1H』について、詳しく聞きたい場合や、開業に関するご相談など、お気軽にお問い合わせくださいませ。

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